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サブプライム 金融不安連鎖の構図を解き明かす

[掲載]2008年3月2日

  • [評者]丸山玄則

 連日のように報道されている「サブプライム問題」。米国の低所得者向け住宅ローンの焦げ付きが、なぜグローバルな金融システム不安や世界的な景気後退の懸念につながるのか。分かりやすい解説を試みる著作がそろってきた。

 最も簡明だった『サブプライム問題とは何か』によると、本来は「収入が低くても、真面目(まじめ)に返そうとする人向け」に生まれたローンだが、「悪質な金融機関がこの仕組みを食い物にした」ことが問題の発端。マイホームを夢見る移民らを狙って「住宅価格は上がり続ける」と月々の収入では返済不可能なローンを組ませた。ローンは高度化した金融技術で生まれた「証券化」という手法で高利回りの金融商品に化け、世界中の投資家に転売された。ところが上がり続けるはずだった住宅価格が下落に転じてローンが焦げ付き、金融商品の価格も暴落、世界中の金融機関が巨額の損失を計上するはめになった。不動産への過信、金融技術の高度化と経済のグローバル化がからみあい、不安が連鎖していく構図がよく分かる。『サブプライム 逆流する世界マネー』は住宅ローンをメロンの流通に例えて説明を試み、構造がイメージしやすい。金融知識がある人は、『サブプライム金融危機』や、『サブプライムの実相』(大澤和人著、商事法務・1890円)でじっくり勉強してみては。『スティグリッツ教授の経済教室』は、ブッシュ政権の経済政策や米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策がサブプライム問題を引き起こす過程を明快に論じ、世界経済が抱える問題の全体像がつかめる。

 サブプライム問題を身近な生活の教訓ととらえれば、「うまい話には裏がある」の一言に尽きる。金融弱者を狙う「強者の理屈」にだまされないためにも、経済の知識は必要だ。

表紙画像

サブプライム金融危機―21世紀型経済ショックの深層

著者:みずほ総合研究所

出版社:日本経済新聞出版社   価格:¥ 1,575

表紙画像

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く

著者:ジョセフ・E・スティグリッツ

出版社:ダイヤモンド社   価格:¥ 1,785

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