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音楽の感動 こみ上げてくる熱い思いの源は

[掲載]2008年03月16日
[評者]前田浩次

 熱い思いがこみ上げてきた。涙があふれて止まらない。作品の全体が、ある瞬間につかめた! 音楽のジャンルを問わず、こんな体験をした方は幸せだ。でも、なぜそう感じたのかを語ろうとすると、これがとても難しい。そのヒントとなる、音楽の感動についてさまざまな人が自らの内面を考察した本が、クラシック音楽の近刊に相次いだ。

 『ボクたちクラシックつながり』は、「のだめカンタービレ」「神童」「ピアノの森」という音楽漫画がクラシック音楽のすそ野を広げている状況を背景に書かれた。ピアニストであり音楽論やエッセーの作品も多い著者が、「関係者に取材し、詳しく調査した上で書かれ」ている音楽漫画を語ることで、音楽家の心の叫びを外に出したいと思ったという。

 『疾風怒濤(どとう)のクラシック案内』は、音楽家は、こんな風に思いながら演奏しているのか、と教えてくれる。本当はさびしい人だったモーツァルト、「ランナーズ・ハイ」を味わわせてくれるベートーベンの交響曲第7番、変化の激しいウィーンの天気のようなシューベルトの歌曲など、魅力、すごみ、さまざまな音楽の顔が現れる。

 『すべては音楽から生まれる』は、音楽と接した時の心の動きを、平易に語る。特にシューベルトに焦点をあて、今年のゴールデンウイークに東京でこの作曲家をテーマに開催される音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」のディレクター、ルネ・マルタン氏と、音楽家と聴衆双方が能動的に心を動かす場であるライブ演奏の魅力を語り合った対談を収める。

 もちろん音楽は録音を通じても、本質に触れたという喜びを得ることができる。『クラシック音楽名曲名演論』はレコード・CDを題材に、音楽美学の研究者が自らの体験から、目のつけどころを詳細につづった力作だ。

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