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中国の今 食品・環境・チベット…実態は?

[掲載]2008年4月6日

  • [評者]山口栄二

 今夏の北京五輪を前に、冷凍ギョーザ中毒事件、黄砂の大量飛散、チベット騒乱などの問題が次々と噴出する中国。その現状に迫ろうとする本が数多く出版されている。

 『中国ニセ食品のカラクリ』は、ここ数年中国国内で次々と表面化しているニセ卵、ニセ蜂蜜、ニセ粉ミルク、ニセしょうゆ、偽装上海ガニなどの実態を紹介。表面化した要因として、「中国のメディアが社会の番犬としての役目を獲得し始めたこと」を挙げる。そして、中国の食品生産基地としての適性を疑う理由として、空気と水の汚染を指摘する。

 『中国の環境問題』では、水源の汚染が広範で、47の大都市のうち22で水源の水質が飲料水源としての基準を満たしておらず、3.2億人の飲み水が安全ではない、という。また、石炭消費や自動車の増加により、全国の都市696のうち357で酸性雨が記録され、pH4.5以下の強い酸性雨が観測された都市は全体の12.2%に増えた(05年)。

 『チャイナマネーの時代』は、英紙が昨年8月、「中国株式市場の規模が日本を上回った」と報道するなど、中国経済の存在感が高まっているとしつつも、「深刻な環境問題が経済発展の阻害要因となっている」と指摘する。世界最大の消費人口を抱える中国にとって、今後の持続的な発展のためには、「省エネ」や「節水」が喫緊の課題、という。

 『そうだったのか!中国』では、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が06年の来日時、著者によるインタビューで話した「完全な自治ができればいいわけで、独立したいと主張しているわけではありません。中国の中で、もっと人々が仲良くできればいいと考えています」という、現在のチベット情勢を見るうえでも興味深い言葉を紹介している。

表紙画像

中国ニセ食品のカラクリ

著者:富坂 聰

出版社:角川学芸出版   価格:¥ 1,575

表紙画像

チャイナマネーの時代―世界を動かす中国経済

著者:野村証券金融経済研究所・山口 正章・郭 穎

出版社:東洋経済新報社   価格:¥ 1,785

表紙画像

そうだったのか!中国

著者:池上 彰

出版社:ホーム社   価格:¥ 1,890

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