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ここから本文エリア 話題の本棚 雑誌の魅力 時代と読者をつないだ編集者[掲載]2008年04月13日 一歩先の欲望を気づかせ、時代の隠れた水脈を示す。雑誌がそんな役割を果たしていたころの熱気を、当事者だった編集者たちが振り返っている。 『popeye物語』は、76年の創刊後「1冊の雑誌の出現によって、街の風俗を一変させ」た伝説的雑誌の舞台裏を描いた。「人間が事件を起こし、その右往左往ぶりを報じるという記事制作パターンから、“モノ”を賞賛すれば、それが“事件”になるという新しい編集方針」を生み出した木滑(きなめり)良久編集長と石川次郎副編集長とともに雑誌を支えた椎根和(やまと)さんは、この雑誌を生んだのは「独断と偏見」であり、「こだわり」であり、編集者やライターをたばねる木滑編集長の「マフィア的家族愛」だったと振り返る。 同じ「popeye」創刊メンバーで、雑誌「宝島」の4代目編集長を務めた北山耕平さんは、時代が「新しいメディアの出現を望んでいると確信できる空気がそこかしこにあった」(『雲のごとくリアルに』)と回顧する。若者文化のうねりのなか「自分たちの世代の言葉を語る文体」を探る軌跡が描かれる。 雑誌を作ることが自己表現だと気づかせてくれるのが『編集者 国木田独歩の時代』。「武蔵野」などで知られる作家、独歩を、編集者として評価しなおす。グラフ誌の先駆者として独歩が一時代を築いた理由には、時代の先を読む能力や批評眼だけでなく、部下の使い方のうまさもあった。小説以上に雑誌作りにのめり込む独歩の姿を通して、時代と切り結ぶ雑誌作りの魅力が伝わってくる。 『コンポジット氏四十年』は、雑誌「英語青年」編集長を含め25年の編集経験がある英文学者の外山滋比古さんが、根本実当(コンポジット)氏に託して自らの半生を語った。「文学青年が文学のことばかり考えるのに、編集人間は読者、人間のことを考える」ということばには、雑誌編集の本質が宿っている。
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