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石油危機再び?! どう乗り越えればよいのか

[掲載]2008年9月7日

  • [評者]吉住琢二

 ガソリン値上げで旅行も減った今年の夏。暮らしを直撃する原油高騰はなぜ起こり、いつまで続くのか。“危機”の背景を読み解く本が相次いでいる。

 『石油がわかれば世界が読める』は、世界の原油価格を決めるニューヨーク先物市場では実消費量をはるかに上回る取引が行われ、過剰なマネーと投機家の思惑で価格が乱高下する現状を解説する。石油は「限りなく市況商品化」したが今世紀後半までは不足しないといい、効率利用による節約を訴える。

 一方、新興国などの資源獲得競争に焦点を当てたのが『勃発(ぼっぱつ)! エネルギー資源争奪戦』だ。採算性は二の次で世界中で原油採掘権獲得に動く中国や、資源を武器にエネルギー消費国の経済支援を引き出すアフリカの資源国など激烈な資源外交の実態を描く。新興国の需要急増が原油高騰の大きな要因で、沈静化の材料はほとんどない、とする。

 別の根本原因論も根強くある。『地球最後のオイルショック』は、賛否両論が続く「ピーク・オイル論」を核とするリポート。ピーク・オイルとは、世界の原油生産が頂点に達した後に生産が減っていく現象で、ピークは数年から十数年後との説が多い。石油業界や政府が否定するこの見方の正しさを、著者は丹念な取材によって裏付けていく。そして、ピーク後には燃料獲得はゼロサムゲームとなり、物価のさらなる高騰と株式市場の暴落で世界経済は大混乱に陥ると警告する。背筋が寒くなる近未来像だ。

 いつか原油が枯渇するのは間違いない。『エネルギー危機からの脱出』は、エネルギー問題の根本を理解し構造を変える思考アプローチの方法と具体的処方箋(しょほうせん)を説く。持続的低成長を目指すビジネスモデルやコンパクトな街づくり、均一の質を求める消費者の好みの見直しなど、今すぐ始めるべきことはいくらでもあるのだ。

表紙画像

地球最後のオイルショック (新潮選書)

著者:デイヴィッド・ストローン

出版社:新潮社   価格:¥ 1,575

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