ファッション、遺跡、美食……。イタリアといえばそんなイメージが浮かぶが、実は世界一の「有機農業大国」なのだという。著者は農林中金総合研究所の特別理事。04、05年の夏休みなどを利用して、イタリア農業の現場を歩いた。
米、野菜、ワイン用のブドウ、モッツァレラチーズなど、小規模ながら有機農業を続ける人たちを訪ね、そのこだわりを聞く。
個人の取り組みから地域全体での運動へと広がった事例や、都市から観光客を呼び農村の収入を増やす「アグリツーリズモ」についても紹介している。
終章では、イタリアと日本の農業を比較する。その上で、戦後、米国を手本に規模拡大と機械化などを進めてきた日本農業について「考え直すべき点が多々ある」と指摘する。
適地適作、多品種少量生産、地域複合経営などを推進し、あらためて日本型モデルを構築すべきだ、と主張している。