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暮らしのお役立ち

「こころの元気」取り戻そう 疾患者を表紙モデルに

2007年07月01日

■1年先まで「予約」がいっぱい

 うつ病や統合失調症など精神疾患の人や家族向けの月刊誌「メンタルヘルスマガジン こころの元気+(プラス)」が、3月の創刊号から表紙写真のモデルに疾患の当事者を起用した。この読者モデルへの応募が相次ぎ、1年先まで「予約」がいっぱい。発行元のNPOの担当者は「当事者自身が社会に積極的に働きかけていく時代が始まった」と話す。

写真応募のあった読者モデルが初登場した「こころの元気+」の第3号(右)と第2号

 「すごい。私じゃないみたい」。東京・北青山の写真スタジオ。約1時間のメークを終えた白石和子さん(39)が姿見の前で声を上げた。撮影中に、カメラマンから「どんな仕事しているの」「趣味は?」と声をかけられた。「私、うつ病で大変だったんです。今日はカミングアウトの日なんです」と笑顔で答えた。

 白石さんは6年ほど前、仕事と結婚生活のストレスで眠れなくなった。味覚や臭覚、暑い・寒いの感覚がなくなった。色覚もすべてが白、黒、グレーの3色にしか見えない状態に。うつ病と診断され、3度の入院も経験した。

 最近は月2回の通院で薬をもらい、カウンセリングを受けている。デイケアにも通う。「少しずつ物事を前向きに考えられるようになってきた」と思えるようになった時、「こころの元気+」を見たデイケアのスタッフから「表紙に出てみたら」と勧められた。

 「最初は冗談だと思いました。でも、一生に一回あるかどうかの経験ですよね。応募してよかった」

 アイデアを思いついたのは、発行元のNPO法人「地域精神保健福祉機構・コンボ」(千葉県市川市)で出版事業を担当する丹羽大輔さん(44)だ。育児雑誌の読者モデル募集を見て、「これだ」と思った。

 丹羽さんは、全国精神障害者家族会連合会(4月に自己破産して解散)で長く機関誌や書籍の編集を担当。「10年前ならできなかったかもしれない。最近は雑誌に実名で投稿する人や、『マスコミの取材を受けてもいい』という当事者が増えていた」という。

 創刊号と第2号は丹羽さんが懇意にしていた人にモデルを頼み、第3号から実際の応募者を起用した。白石さんが登場する第4号は6月28日にできあがった。

    ◇

 「こころの元気+」は郵送販売のみ。創刊号は無料で、希望者は240円分の切手をはった返信用封筒を同封して「〒272・0035、市川市新田5の9の19の202 コンボ雑誌係」へ。定期購読(年間5000円)は創刊号の申し込みはがきで。7月末まで申し込み方法の説明を24時間の電話案内(047・322・1356)で紹介する。

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