食環境ジャーナリストの肩書を持つ筆者はこの10年、日本でのスローフード運動の発展に深くかかわってきた。全国500カ所以上の農村、農家、食材加工店、学校などに足を運び、食に関する様々な取り組みを見て回った。そんな体験を踏まえ、本物の食育とは、スローフードとはどうあるべきか、について提言している。
戦後、急激に変化した食生活。それに伴い増えたアトピーや肥満の現状を紹介するとともに、牛海綿状脳症(BSE)や雪印の食中毒事件など、揺らぐ食の安全、日本の食物自給率の低さなどについても触れ、食の危機を訴える。
子どもたちに塩の味比べをしてもらった食育授業のほか、スローフード運動発祥の地イタリアでの活動、鶏一羽を丸ごとさばく料理教室やユニークな学校給食の事例などを紹介。食の大切さを知り、本物の食を知り、伝えることの必要性を説く。巻末には、身近なところから始められる「家庭で実践したい食育10カ条」なども掲載されている。