「全国世捨て人会議」「『ゴリラ・サバイバル作戦』で幸せ結婚生活」
本書の目次には、真面目なマーケティング本には不似合いの、人を食ったような言葉が並ぶ。(評者も含め)それに興味をそそられた読者は、著者の術中にはまったも同然か。本書にもあるように、「好奇心」はセールスにおける最強のツールだからだ。
著者は70年代に通販会社を起こし、「ブルー・ブロッカー・サングラス」を2千万本売った伝説のマーケッター。顧客心理を巧みにつく自作コピーで知られる。
原題は「Triggers(引き金)」。顧客の心理に働きかけ、購入決定の引き金となる30の要因を、具体的なエピソードを交えて解説している。その軽妙な語り口に引き込まれること請け合いだ。
マーケティングの世界では、「顧客満足」「経験マーケティング」と、時代によって注目手法が移り変わる。だが著者が説くのは、「正直であれば顧客はそれに応える」「人は感覚で買い、理屈で納得(正当化)する」といった、いわば不変の黄金律。「欠点を最初に提示することで相手の警戒心を解く」「物語はセールスに人間味を与える」など、あらゆる交渉の場面で使えるテクニックも多く、恋愛の駆け引きでも応用できそう。使い方はあなた次第と、トリガーの一例「期待感」で煽(あお)っておこう。