世界90カ国で2500万部も読まれているというベストセラーシリーズの最新刊は、10代に向けて説くキヨサキ流の金銭哲学だ。
「さあ、位置について……ヨーイ、ドン!」と、お尻を叩(たた)かれてページをめくると、次は「この本を手に取ったあなたはラッキーだ!」といった自信満々な文面が待っている。
ロバート・キヨサキは、親友の父である「金持ち父さん」を師に、9歳から小遣い稼ぎをしつつ、成功への考え方を学んだ。その極意は「お金のために働くな。お金を自分のために働かせよ」。50歳を前に悠々たる引退生活を実現した人から説かれると、このような禅問答もどきでも、何やら実践的に思えたりする。
本書は日本でのシリーズ第11弾。内容は第1弾『金持ち父さん貧乏父さん』の焼き直しながら、活字が大きくなって、「小遣(こづか)い帳(ちょう)」や「家計簿(かけいぼ)」など細かく振り仮名が付いているのが10代向けか。その工夫は大人にもありがたく、シリーズごとに投資術やら運用術やらを饒舌(じょうぜつ)にしたためてきた著者の考えがすっきりと読める。が、何よりも感心するのは、著者が第1作のヒットを元手に、手を替え、品を替え、シリーズを展開し続けていることだ。
金持ち父さんは、勤労所得以上に不労所得に目を向けよ、と奨励する。印税という不労所得をフルに享受する著者の実際こそ、ある意味でいちばん勉強になる。