1シリーズの小説で100巻目刊行というけた外れの記録が生まれた。栗本薫さんの英雄ファンタジー「グイン・サーガ」(ハヤカワ文庫)だ。26年かけての金字塔を記念して、9日に東京都内で祝賀会が開かれ、ファンら約600人が集まった。
同作はパロ、ケイロニア、モンゴールといった国々が群雄割拠し、「三国志」さながらの権謀渦巻く乱世に、出生の記憶を失った豹(ひょう)頭人身の戦士「グイン」が戦いを繰り広げる英雄冒険絵巻。2000人に及ぶという登場人物の描写を通じて愛や友情、夢をなども描く群像劇だ。
この日の「大祝賀祭」では、栗本さんが作品執筆の刺激を受けたというSF作家高千穂遙さん、SF・ファンタジー評論家の小谷真理さんとトーク。「今、思うとあっけなかった。するすると気持ちよく書いてきた。三国志や水滸伝が好きで、基本に中国の古典がある。シェークスピアや黒澤明、歌舞伎の要素もある」と栗本さん。すでに103巻まで書き上げていることも明かした。
100巻累計で、400字詰め原稿用紙で4万枚分、出版部数は2600万部を超えたという。04年にギネスブックの「最も長い小説」の新記録として申請した。英訳で当時のギネス記録だったプルーストの「失われた時を求めて」の約3倍の文字数があったが、「1冊にまとまっていない」と認められなかったという。