岩波書店は22日までに、サンテグジュペリの「星の王子さま」の新訳本を出した論創社に対し、本の扉裏やあとがきに「星の王子さま」の書名は岩波版の翻訳者の内藤濯(あろう)氏の考案であることを、重版分から明示することなどを求める要望書を出した。論創社の森下紀夫社長は「あとがきではすでに触れているが、翻訳者と相談して対応を決めたい」としている。
「星の王子さま」の原題は「小さい王子」。岩波書店が1953年以来独占的に出版してきたが、日本での著作権が今年1月に切れたため、さまざまな出版社が新訳本を予定している。論創社版は今月出版された。
岩波書店の宮部信明編集局部長は「基本的には、新訳にふさわしい別の書名をつけるべきだと考える。それでも『星の王子さま』を使いたい場合は、先人の創造的な営為に対する敬意を示してほしい」と話している。
今月10日に亡くなった作家の倉橋由美子さんによる新訳本を今月末に出す宝島社は、岩波書店の要望に沿うという。