駅の改札前に大規模書店が設置されれば、駅近くの書店の経営が圧迫されて閉店に追い込まれる恐れがあるとして、京王電鉄久我山駅(東京都杉並区)近くの2書店が29日、書店設置計画を打ち出した京王電鉄と子会社の「京王書籍販売」を相手に、設置差し止めを求めて東京地裁に仮処分申請した。
申請したのは、いずれも駅近くの「久我山書店」と「板橋書店」それぞれの経営者と経営会社。久我山書店は1958年、板橋書店は77年開業の地元書店。京王書籍販売は「啓文堂書店」の名で京王線の駅や駅ビル内に出店している同電鉄100%出資の子会社。
申立書によると、京王電鉄は7月、地元商店会に対し、改札口正面の店舗用スペースに書店を出すことを明らかにした。面積は87坪で久我山書店の約5倍という。
小規模書店は全国的に経営が厳しく、99年の約2万2000店から04年には約1万8000店まで減ったという。両書店は「すでに家族経営で限界に近い経営を強いられている。駅に書店ができれば、立地、品ぞろえなどの圧倒的な差から廃業を余儀なくされる可能性がある。出店は『生存権的営業権』の侵害にあたり、差し止める必要がある」と主張している。