日本文芸家協会など文芸関連5団体が、国や地方公共団体に対し、公共図書館の予算増額などを求める声明を出した。
5団体は同協会のほか日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、日本推理作家協会、日本ペンクラブ。声明で(1)図書館予算の増額(2)専門知識をもつ図書館司書の増員(3)国家または公的機関による著作者等への補償制度の確立を主張した。
作家側は従来、図書館が人気の本を多数購入し、貸すこと(複本問題)で、本が売れなくなっていると批判してきただけに、「共闘」へ路線変更したともとれる。
きっかけは04年3月に最終報告がまとまった日本図書館協会と日本書籍出版協会の共同調査だ。複本問題も確認されたが、日本翻訳文化賞、日本翻訳出版文化賞、サントリー学芸賞の受賞作品は合計でも、政令指定都市の図書館で1館平均0.2冊しかないなど少部数の「良書」の所蔵が少ない傾向が浮かび上がったという。
そこで、予算増額と鑑識眼のある専門職員の増員で、少部数の「良書」を増やして欲しい、と訴えることになった。声明をとりまとめた日本文芸家協会の三田誠広・常務理事は図書館と文芸家を「対立するものでなく、協力しながら文芸文化の発展を目指すパートナー」と位置づける。
ただ、両者の溝が完全に消えたわけではない。「補償金制度」について、日本図書館協会の常世田良理事は「補い償う金とは、図書館が作家に損害を与えているとの前提がある」と批判している。