「無断で短編集を出版され、印税も支払われない」と、作家の筒井康隆さんが、7日発売の文芸誌「文学界」で出版した北宋社(渡辺誠社長)への抗議を公表した。
同誌に筒井さんが連載中の「巨船ベラス・レトラス」第13回によると、筒井さんは一昨年暮れ、北宋社が「満腹亭へようこそ」(98年)という自分の短編集を出版していることを初めて知り、収録作品の元の出版社である新潮社を通じて抗議した。
これに対し、渡辺社長から「筒井さんのサイン会に行き、口頭で承諾をもらった」と回答があったが、筒井さんは承諾を否定している。
さらに、同社発行のアンソロジーの何冊かにも筒井さんの短編が無断で収録されており、謝罪と本の断裁、印税の支払いなどを巡って双方の代理人がFAXでやりとりしていたが、昨年2月25日以降何も回答がないため、公表に踏み切った。
渡辺社長は「いずれも承諾は得ており、無断ではない。印税はまだお支払いできず、その点は申し訳ない。まだ話し合いの途中だと思っていた」と話している。