新聞の全国同一価格を定めた特殊指定制度を巡り、公正取引委員会が見直しを検討している問題で、日本新聞協会は6日、公開シンポジウム「活字文化があぶない!——メディアの役割と責任」を東京・内幸町のプレスセンターホールで開いた。出席した国会議員や有識者からは、公取委の姿勢に反対する声が相次いだ。
シンポジウムは4月6日の「新聞をヨム日」にちなんで開催、約400人が参加した。冒頭で北村正任・日本新聞協会長は「新聞の戸別配達網は文字活字文化を守るライフライン。これを実質的に担保する特殊指定を撤廃しようとする公取委の姿勢には強く反対する」とあいさつ。有村治子文部科学政務官が「再販制度や特殊指定制度に支えられて戸別配達が行われ、国民一人ひとりがどこにいても同じ価格で公正で幅広い情報に触れる機会が保障されている」と指摘した。超党派の活字文化議員連盟代表幹事の鈴木恒夫衆院議員も「公取委の見直しは、市場原理によって日本文化の破壊を招く」と懸念を表した。
続いて基調講演した作家の柳田邦男さんは「自分の関心事以外の情報も掲載されている新聞からは世界を知ることができるが、関心事だけをネットで検索していては世界が見えなくなる」と、幅広い視野を知らせる新聞の役割を強調した。
藤田博司・早大客員教授をコーディネーターにしたパネルディスカッションも開かれた。鹿島茂・共立女子大教授(仏文学)は「宅配制がなくなれば、分極化が進む。これは日本に合った社会ではない」、鈴木秀美・大阪大教授(メディア法)が「経済的な規制緩和が文化、自由な情報の流通からはマイナスになる。その可能性について配慮がないのは乱暴ではないか」、山川洋一郎弁護士は「戸別宅配のシステムは一度壊れると元に戻すことが難しい。慎重な検討が必要だ」と、性急な見直し論議の再考を求めた。