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「元ナチス」告白、グラス氏窮地 ノーベル賞返還要求も

2006年08月17日

写真

ギュンター・グラス氏=AP

 ドイツのノーベル賞作家、ギュンター・グラス氏(78)が第2次大戦末期にナチスの武装親衛隊に所属していた過去を明らかにしたことが、反響を呼んでいる。ナチスの歴史的責任を問い続けた独文壇の代表格だっただけに失望や怒りの声が相次ぎ、ノーベル賞返還を求める声も出ている。この問題を詳述した同氏の自伝が16日に前倒し販売され、購入者が相次いだ。

 グラス氏は独紙フランクフルター・アルゲマイネで武装親衛隊への所属を告白。複数の独メディアによると、ナチス研究の第一人者の作家ヨアヒム・フェスト氏は「一貫してナチスを批判しドイツのあるべき姿を唱えたグラス氏だが、もはや信じられない」と批判。独ユダヤ人中央評議会のクノーブロッホ会長も「ナチスの罪を批判してきた評論や演説は一体なんだったのか」とコメントした。

 与党キリスト教民主同盟の文化担当議員は「モラルにかかわる。ノーベル賞などあらゆる賞を返さなければならない」と批判した。スウェーデン・アカデミーの広報担当者はノーベル賞を取り消さない方針を示しているが、独ニュース専門テレビ「n—tv」の16日の世論調査では「自主返還すべきだ」との意見が3割を占めた。

 隣国ポーランドでもグラス氏の故郷、グダニスク市が93年に与えた「名誉市民」称号の返上をワレサ元大統領が要求。チェコでも地元ペンクラブが94年に与えた賞の取り消しを求める声が上がる。「自伝の格好のPRだ」と皮肉の声もある。グラス氏は独テレビで「裁きたいように裁けばよい」とコメントした。


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