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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>出版ニュース> 記事 出版ニュース 広がれ点字付き絵本 出版社が連携し本作り2007年03月17日 ■絵柄を工夫・色に凹凸…価格も手頃 主に手作りに頼っていた点字付き絵本を普及させようと、ライバル同士の出版社が協力して本作りに乗り出している。きっかけは、大阪で点字絵本を作り続けてきたボランティア団体の呼びかけ。活動をもとに2冊の楽しい絵本がすでに出版された。シリーズ化を目指しているという。
* * * 「てんやく絵本ふれあい文庫」(大阪市)は84年から、これまでに8000冊以上の絵本をボランティアの手によって点訳して貸し出してきた。代表で全盲の岩田美津子さん(54)が「息子と一緒に絵本が読みたい」と思ったことが始まりだった。しかし、手作業では点訳できる数が限られた。 岩田さんは「目の見える人も、そうでない人も一緒に楽しめる点字絵本を印刷してもらい、もっと多く普及させたい」と考え、出版社や印刷会社、画家や作家の知り合いを訪ねて歩き、協力を要請。02年4月、出版社などが集まり、「点字つき絵本の出版と普及を考える会」が結成された。現在、岩崎書店、偕成社、こぐま社、小学館、自由国民社、福音館書店、PHP研究所などが会員になっている。 出版社は、それまでも各社1冊程度の点字絵本を出していた。しかし、特殊な凹凸印刷技術でコストが通常の約2倍かかってしまうことなどから1冊2000〜3000円程度と高価になり、増刷やシリーズ化は難しかった。会では、印刷技術を交換してコスト削減を追求、岩田さんら視覚障害者の意見を積極的に聞いて表現方法などの工夫をした。 そうした成果を取り入れ、今年1月、小学館から「てんじつき さわるえほん シリーズ」として、「きかんしゃトーマス なかまがいっぱい」と「ドラえもん あそびがいっぱい!」の2冊が出版された。 蛇腹折りにして背表紙をなくしたり、版元にかけ合ったりして税込み945円の手頃な価格を実現。一般の本の絵をそのまま掲載するのではなく、触って分かりやすいように、例えばトーマスの車体は斜めの絵柄を避け、正面と横の絵だけで構成した。 「目が見えなくても色に対する感覚や願望は強い」という岩田さんのアドバイスで色も表現。「きかんしゃトーマス」では、青には点、緑には斜線の凹凸を入れた。大手書店に置いてもらえるように営業にも力を入れた。 小学館ではこれまでの点字絵本は2000部しか刷っていなかったが、今回は各5千部印刷した。担当者は「晴眼者も楽しんでもらえる本ができたと思います。ライバル会社同士が連携してノウハウを交換する珍しい取り組みです。これまでの点字絵本は値段が高くて一般に知られていなかったですが、協力することで普及のハードルを何とか越えたい」と話す。 岩田さんは「みんなの人気者のキャラクターを使っているので、すべての子どもたちに手にとって欲しい」と呼びかけている。 今後、同会会員のほかの出版社からも、同じ価格でこのシリーズの本を出していく予定だ。また同会は、出版社90社にこれまでに出した点字絵本についてアンケートを実施。回答のあった45冊を載せたリストも作成し配っている。問い合わせは「てんやく絵本ふれあい文庫」(06・6444・0133、水〜土曜午後1時半〜同4時半)へ。
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