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生原稿・時計…エッセイスト植草甚一のお気に入り、一同に

2007年10月31日

 映画、ジャズ、ミステリー、ファッションなど、幅広く軽やかな文章で人気があった、エッセイスト植草甚一(1908〜79)の写真や書簡類、スクラップブック、身の回りの小物などを集めた展示会「マイ・フェイヴァリット・シングス」が、東京の世田谷文学館で、11月25日まで開かれている(月曜休館)。

 古本屋で買い求めた、部屋をうずめるほどの英米仏などの雑誌や書籍に目を通し、同時代のカウンターカルチャーを紹介、J・Jと親しまれて60年代後半から70年代の若者文化を体現していた。

 展示は、生原稿、蔵書カード、時計やネクタイ、収集した切手や、自分で撮影した写真など。雑誌「スイングジャーナル」に連載された記事の抄録は、見出しだけでも面白い。「ピアニストがサカナにされているよ」「今日はフランスのジャズ雑誌でも勉強しよう」「ジャズ的メモから何かギューッとしぼりだした」など、軽やかな文体が現代のエッセーやコラムに影響していることがよくわかる。

 61年の入院中にはがきや原稿用紙へのコラージュやいたずら書きを始め、雑誌「ユリイカ」の表紙やカットもてがけるようになった。絵入りの書簡やはがきもたくさんあって楽しい。

 晩年は、トレードマークのひげと一風変わったファッションで、「不思議の国のおじいさん」のような印象だったが、展示もカタログも、不思議の玉手箱みたいだ。

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