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文学界新人賞 楊逸さん 小説で中国人のこと伝えたい

2007年11月29日

 今年下半期の文学界新人賞を、東京都在住の中国人女性、楊逸(ヤン・イー)さん(43)が受賞した。20年前に留学生として来日してから日本語を学んだ。外国語としての日本語を駆使して、現代の中国人の内面を鮮やかに描き出した。

写真文学界新人賞を受賞した中国人・楊逸(ヤン・イー)さん=東京・紀尾井町の文芸春秋で

 受賞作「ワンちゃん」は、中国人の夫と離婚して、日本人と再婚した中国人女性が主人公。共に田舎に住む日本人男性と中国人女性との集団見合いを仲介している。受難にめげない主人公の力強さを伝える一方、文化や感覚の異なる間で生じる人間模様をユーモラスにつづっている。

 楊さんはもともと中国語でも小説を書いていたが、受賞作は中国語の翻訳ではなく、日本語で思考して書き上げたという。「身ひとつで日本に来て社会の主流に入るには小説を書くしかないと思った。在日中国人の中だけで生きるのではなく、世界を大きくしたくて書き始めた」

 ハルビン市生まれ。中学の時に、音信不通だった横浜市に暮らす伯父と連絡が取れ、送られてきたカラー写真を見て日本へのあこがれを募らせた。23歳で来日。お茶の水女子大を卒業後、在日中国人向けの新聞社で働き、詩やエッセーを発表した。

 「中国人の行動に至るプロセスや背負ってきた歴史なくして、日本人には中国人のことが理解できないのではないか。伝えるべきことを伝えないと。言葉では行き違いがあっても、小説で人間の背景を描くことでわかってもらえると思うんです」

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