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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>出版ニュース> 記事 出版ニュース 16歳でも読めるカントの平和論 池内紀さんが新訳2007年12月20日 18世紀の哲学者カントの『永遠平和のために』を、ドイツ文学者池内紀さんが新訳した。16歳から読めるようにと簡明な日本語を意識した文章はじかに語りかけるようで、時をこえた平和の理念がくっきり見えてくる。 〈あるオランダの宿屋だったが、看板に「永遠の平和(やすらぎ)亭」とあって、わきに墓地の絵が描かれていた〉 気のきいたエピソードからはじまる平和論は、「国と国とが、どのようにして永遠の平和を生み出すか」「国家間の永遠平和のために、とりわけ必要なこと」の2章からなる。 「将来の戦争を見こして結んだ平和条約は、平和条約ではない」「いかなる国も、よその国の体制や政治に、武力でもって干渉してはならない」「永遠平和は空虚な理念ではなく、われわれに課せられた使命である」……。 複雑な構文や哲学用語にこだわらない文章は、深い問題意識と人間理解、ユーモアがある。池内さんはカントが生まれ終生暮らした町にかつて滞在したことがある。「哲学は専門ではないが、伝わるエピソードなどからその人となりを身体で感じた。そこで、カントがいま対話して地の声で語ったら、という想定で訳しました」と語る。 検閲をはぐらかすためにカントは「のんきな夢をみている哲学者のひとりごとなのか」ととぼけたが、その夢は国連や日本の憲法9条にもつながっている。本ではカントの言葉を藤原新也さんらの写真と組み合わせ、手にとりやすくした。 発行元の綜合社社長を最近退いた池孝晃さん(68)が企画した。「45年の編集者生活の最後に若い人たちのために何か残したかった。できれば、哲学者の言葉を響かせたい」 発売元は集英社。1300円+税。 ここから広告です 広告終わり この記事の関連情報出版ニュース バックナンバー
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