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「モンキービジネス」19日に創刊 柴田氏が責任編集

2008年04月12日

 アメリカ文学者で翻訳家の柴田元幸さんが責任編集する季刊文芸雑誌「モンキービジネス」が19日、ヴィレッジブックスから創刊される。「いい本がそろった、ちっちゃな書店のような雑誌にしたい」と柴田さんは語る。

 創刊号は「野球号」。柴田・小川洋子対談があり、ポール・オースターが日本人大リーガーをコメントする。ワールドシリーズの有名な八百長事件を作家J・T・ファレルが一少年ファンの目でつづった印象的なエッセーもある。

 川上弘美、小野正嗣、岸本佐知子の連載、古川日出男の小説も。だれに原稿依頼するかを決め筆者とやりとりし、原稿の感想を送り、翻訳は原文とあわせ読み時には朱を入れることまでするそうだ。

 東大教授としても現代文芸論の講座をスタートさせ、多忙ななかでなぜ雑誌を?

 「見境がないだけかも」と笑いながら、「親しい編集者にやりませんかと言われたのがきっかけですが、好きなものを翻訳して好きな人に書いてもらえるのって面白いなと思ったんです」

 日本語作品と翻訳を区別せず、新作も旧作も同じように載せる。「いまある雑誌って映画も音楽も新しい情報ばかりだからそうではないものを作りたかった」。尾崎翠「第七官界彷徨」抄と芥川賞作家川上未映子の解説を並べ、カフカの「流刑地にて」を「西岡兄妹」がマンガ化する。

 19世紀アメリカの作家メルヴィルの「書写人バートルビー」の柴田訳も載っている。

 「古典について僕が口を出す余地はないと長いあいだ思ってきましたが、『光文社古典新訳文庫』の成功など古典の面白い作品に目が向くのはいいことなので、とっかかりとして版が切れたりして読めなくなった作品を訳してみようと」思ったのだそう。次は、コンラッドの「秘密の共有者」を訳す。

 悪ふざけの意味もある誌名だがその実、日本文学を世界文学の一部ととらえる視野の広い雑誌だ。野球の次は「眠り号」というのも文芸誌らしくなくて意表をつかれる。本体880円。

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