2008年5月4日
最新の「論座」6月号は、「映画『靖国』騒動への疑問」と題する特集を組んでいる。映画監督の森達也氏とジャーナリスト斎藤貴男氏の対談のほか、12人が今回の上映中止を論じた。登場するのは美術家の会田誠、ラッパーで小説家のECD、社会学者の上野千鶴子、フランス現代思想の内田樹、映画監督の是枝裕和、一水会顧問の鈴木邦男の各氏ら。
是枝氏は、撮る側と撮られる側の繊細な関係性と覚悟の上に実現したドキュメンタリーに、政治家が「土足で踏み込んだ」ことを批判。内田氏は、民主主義を軽んじても誰かが支えてくれるという「無根拠な楽観」が、社会の根幹をゆっくりと腐らせ、危機を招き寄せると警告する。
ただECD氏は今後、劇場へ向かう人たちが右翼に襲われるかもしれないという恐怖心を抱くことに、希望を見いだす。一歩を踏み出して映画を見に行く、その行為が、何らかの「契機」になる、と期待するのだ。
出版社:朝日新聞社出版局 価格:¥ 780
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