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旅行ミシュラン日本編、三つ星は17 仏語版を3月発売

2009年1月31日

 仏タイヤ大手のミシュランが3月、旅行案内の伝統シリーズ「ギド・ベール(緑のガイド)」日本編(仏語)を初めて発行する。全国約200カ所が評価対象になり、優れた観光地には星がつけられた。フランス人の目から見た評価ではあるが、レストランガイド同様、世界の旅行者が日本の旅の参考にする。さて、三つ星は――。

 ■高尾山再び

 最高の三つ星がついたのは計17カ所。この格付けは、ミシュランが「フランス人がわざわざ足を運ぶ価値がある」と推奨する場所だ。京都、奈良、姫路城などの定番観光地だけでなく、富山・五箇山(ごかやま)や石垣島・川平(かびら)湾といった通好みの場所も選ばれた。「日本の魅力を実感できるところを選びました」とアンヌ・テフォ編集長(48)は語る。

 ガイド執筆陣は日仏の12人。ミシュラン本社の編集者と日本在住の仏人スタッフが1年かけて日本の全地方の200カ所余りを訪ねた。それぞれに九つの項目の評価を総合判断し、編集者が格付けを決定した。次の(1)〜(9)が評価項目だ。

 (1)印象深さ。和歌山県の高野山はこの項目で高い評価を得て、三つ星獲得。「浮世と全く違う時間が流れている。森の中を行くと伽藍(がらん)が現れる。西洋人にとってまさに神秘的」と編集者のカトリーヌ・ゲガンさん(43)。

 (2)知名度。東京が代表例だ。「この街の重要性に異論はありませんから」

 (3)遺産的豊かさ。典型は京都。

 (4)すでにある名声。例えば世界遺産。ただ、必ず高い評価がつくとは限らない。

 (5)歴史的遺産価値。奈良など日本の歴史上重要な場所。

 (6)美しさ。屋久島が一例だという。「野生の植物がこれほど素晴らしい島は少ない」

 (7)真正さ。(8)アクセスのよさなど諸要素。そして、(9)もてなしの質。

 ミシュランは07年、簡易版ガイド「ボワイヤジェ・プラティック」日本編を発行し、そこでも各地の観光地を格付けした。その際、東京近郊の高尾山を三つ星評価。「あの週末ハイキングの山が世界的な観光地なのか」と国内で論議を呼んだ。その高尾山、今回も再び三つ星を得た。簡易版の編集にも参加したテフォ編集長は「また議論が起きるのは覚悟のうえです」と苦笑する。今回、再び現地を訪ね、検討した。結果は「やはり三つ星に値する」。都市に近いのにありのままの自然を楽しめる。「遠くに見える富士山は本当に美しかった」

 簡易ガイドよりも評価を上げた観光地は少なくない。東京都内では、二つ星だった東京国立博物館が三つ星に。調査の結果、収蔵品の質を見直したという。

 ■フランス人の目で

 逆に、日本人には人気でも星なし評価の観光地も。若い女性に人気の函館。「欧米人はやはり、北海道には大自然を期待しますから」。ガイドはあくまで、フランス人の目で見た評価なのだ。「フランスに来る日本人も、私たちにとっては平凡なものにしばしば感動しています」

 フランス人にとって日本は「遠い、物価が高い、言葉が通じない」というイメージがあって旅行先としての認知度は低く、ガイド本も少なかった。しかし、和食ブームや漫画・アニメの人気を通じて近年、関心が高まってきたことがガイド発行の背景にある。

 外国旅行者を増やしたい日本政府観光局(JNTO)も後押しをした。日本は、2010年に日本への外国人旅行者数を1千万人にまで増やす目標を掲げている。昨年は約835万人(推計)。現在年間約15万人の仏からの旅行者を増やすため、JNTOは仏語版日本ガイドの発行を出版各社に働きかけた。

 長谷川豊JNTOパリ事務所長は、今回のガイドによって「東京と京都ばかりだった外国人旅行者を地方に呼び込む効果」を期待する。

 緑のガイド日本編は、3月16日に初版約1万部が、フランスを中心に欧州で売り出される。9月には英語版も。ホテルやレストラン350軒以上を料金付きで紹介し、礼儀作法の基本や温泉の入り方なども解説した。固有名詞は漢字でも記載。2年ごとに改訂するという。(パリ=国末憲人)

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