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〈本の舞台裏〉23年でミリオン達成

[掲載]2009年9月6日

 お茶の水女子大名誉教授の外山滋比古さんの『思考の整理学』(ちくま文庫)が先月31日の増刷で101万5400部となり、文庫化から23年で100万部を突破した。ロングセラーがミリオンセラーに化けたのにはわけがある。

 同書は「ものを考えること」をテーマにしたエッセー。83年に「ちくまセミナー」から刊行。86年に文庫化され、21年間で17万部が売れた。

 転機は06年秋。盛岡市の「さわや書店」が「もっと若い時に読んでいれば……」という手書きポップをつけると突然、売れ始めた。筑摩書房販売課がこのポップを大手書店などにも広げ、キャッチコピーとして帯文にすると08年夏までに累計は51万部を超えた。同課の大河久典さんは「若い学生にも年配にもアピールするコピーだった」。

 第2の転機は08年。東大と京大の大学生協で書籍総合ランキングの1位となった。「東大・京大で一番読まれた本」のコピーで展開するとさらに爆発的に売れた。7月に外山さんが東大で講演したことも追い風に。大河さんは「ネット社会の情報過多の中で多くの人が悲鳴を上げている。“あふれるような情報ならいらない”と忘れることの背中を押してくれる内容が響くのでは」。(久保智祥)

表紙画像

思考の整理学 (ちくま文庫)

著者:外山 滋比古

出版社:筑摩書房   価格:¥ 546

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