2009年11月14日
【ニューヨーク=田中光】米グーグル社によるデジタル化した書籍の全文検索サービス「グーグルブックス」をめぐる集団訴訟で、グーグルや米国出版協会、米国作家協会は13日夜、修正和解案をニューヨークの連邦地裁に提出した。サービスの対象を米連邦著作権登録局への登録作品か、英国、カナダ、オーストラリアで出版された作品に限定することなどが柱で、この案で和解が成立すれば、日本への影響はほぼなくなるとみられる。
当初の和解案は、原則として世界中の著作物が対象となる仕組みだったため、欧州や日本などから反発の声が上がっていた。
今回の修正案についてグーグルは、対象国が「同様の司法環境と出版慣習を共有している」と説明。一方で、対象国以外の著作権者や組織も希望すれば、検索サービスに参加できるとしている。
ただ、訴訟関係者の一人は「すでにグーグルが電子化してしまった対象国外の著作物がどうなるかは不透明だ」と指摘している。
また、グーグルの説明によると、修正案では検索サービスの運営で得られる収益を著作権者に63%配分する仕組みは変えないまま、著作権者が不明の作品によって得られる収益については配分対象から外す。
しかし、これまでの和解案に反発してきたマイクロソフトや米通販大手アマゾンなどでつくる「オープンブック同盟」は修正案に対し、「米司法省や社会が指摘してきた欠陥に対応していない」と不満を表明した。
連邦地裁は近く公聴会の期日を設定し、利害関係者の意見を聞いたうえで、和解案を成立させるかどうか判断するとみられる。
グーグルブックスをめぐっては、一企業が世界の著作物を管理することにつながりかねないとして、米司法省や各国政府などが独禁法の観点などから問題を指摘していた。