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〈本の舞台裏〉「エクス・ポ」第2期

[掲載]2010年4月18日

 批評家の佐々木敦さんが主宰する雑誌「エクス・ポ」の“シーズン2”が始まる。昨年末に「第2期エクス・ポ」の「ゼロ号」を刊行。600ページを超える分厚い新書のような形で、異なる二つの特集を、表と裏から読み進むユニークなスタイルだ。創刊号は5月発売予定という。

 佐々木さんはこれまでも個性的なインディーズ雑誌を手がけてきた。第1期「エクス・ポ」は、A4サイズの16ページに細かい字でびっしりと記事を詰め、表紙と目次を兼ねた封筒に入っていた。内容も、一つの分野に重点を置いた特集を組まず、文学、アート、舞台など、様々な文化素材を扱う「非特集主義」だった。

 第2期では一転して「特集主義」を徹底する。ゼロ号は「演劇」「雑誌」の二つの特集。「演劇」の特集では、「青年団」の平田オリザさんや「五反田団」の前田司郎さんら、演劇人の対談や鼎談(ていだん)などを満載。「雑誌」の特集では、雑誌編集長たちによる座談会「“雑誌”のサヴァイヴァル」や、「スタジオ・ボイス」休刊時の編集長だった松村正人さんへのインタビューなどを掲載した。創刊号の特集は「映画」とゼロ号で好評だった「演劇」の続きを掲載予定。以後は「漫画」「小説」「アート」などを特集する。

 音楽や映画、舞台や小説など、幅広い領域で活動してきた佐々木さんは「小さな経済」という考え方を大切にしている。「価値観はどんどん細分化し、それぞれのパイが小さくなっています。それらを束ねる大きなものを作るのではなく、小さくてもそれぞれの価値観に対応したものを作ることで、雑誌に限らず様々な文化活動が持続可能だと思う。僕自身、色々なことに関心をもってきたので、多様化し尽くした価値観の間を自在に結線する作業をやっていきたい」。持続可能なペースとして、年3回の発行を目指す。通信販売のほか、大型書店などでも購入可能。問い合わせは「HEADZ」(03・3770・5721)。(浜田奈美)

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