現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. BOOK
  4. 出版ニュース
  5. 記事

〈本の舞台裏〉「終活本」続々発売

[掲載]2010年7月25日

 「終活」という言葉をご存じだろうか。「最期」の時に向けて、葬儀やお墓の準備を始めることを指す造語だ。この「終活本」ともいうべき書籍や雑誌が、軒並み刊行中だ。

 「終活」の言葉を生み出したのは、「週刊朝日」で昨年8月から12月まで続いた連載記事「現代終活事情」。葬儀やお墓にまつわる基本知識や最新事情を紹介したものだが、このほど、連載に加筆したムック本『わたしの葬式 自分のお墓』(朝日新聞出版)が発売された。葬儀社の良しあしの見分け方や、火葬のみを簡素に執り行い人気を集める「直葬」などを紹介。担当者はこう語る。「連載中、たくさんの反響が寄せられ、失敗談のみならず『信頼できる葬儀社はどこか』『散骨したいが窓口を教えて』といった問い合わせも多くいただきました。葬送にまつわることは切実な問題なのに、情報が枯渇していることを実感した」

 雑誌各社も「終活本」を発売。2月、「週刊ダイヤモンド」は「安心できる葬儀」を特集し、3月末には同誌臨時増刊号「葬儀・寺・墓・相続大事典」が出た。「週刊東洋経済」も4月中旬、「相続 事業継承&葬儀・墓」を特集した。

 書籍では、宗教学者の島田裕巳氏が日本の葬式や戒名について構造的に解説した『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)が今年1月に発売、ベストセラーに。上半期ランキングでも上位に食い込んだ。さらに読者から「戒名についてもっと知りたい」という問い合わせが編集部に届き、5月には同じ著者で『戒名は、自分で決める』も発売。一方で『葬式は必要!』(一条真也著、双葉新書)などの“対抗本”も登場した。

 幻冬舎の小木田順子・新書編集長は、「ひごろ新書を読まない層からの問いあわせも多く、全国にまんべんなく届くように意識して配本しています。業界的にも様々な反応があるのは、ありがたいこと」。「終活本」という新たなジャンルが確立しつつあるようだ。(浜田奈美)

表紙画像

葬式は、要らない (幻冬舎新書)

著者:島田 裕巳

出版社:幻冬舎   価格:¥ 777

表紙画像

葬式は必要! (双葉新書)

著者:一条 真也

出版社:双葉社   価格:¥ 740

検索フォーム
キーワード: