 |
|
石黒賢(いしぐろ・けん) 66年東京生まれ。83年にデビュー。今春、「Scary」(トランスワールドジャパン)で絵本翻訳に初挑戦。ほかに「ティップトップとゾウ」(同)などの訳書がある。「おとなの夏休み」(日本テレビ系)に出演中。
|
待ちに待った夏休み。何をしよう、どんな本を読もう……ワクワクします。俳優で、小中学生3人の子の父でもある石黒賢さんに、本との出会い、読み聞かせの魅力などを聞きました。また、長い休みだからこそ楽しみたい本を、月末掲載の「こどもの本棚」の選者、米村和美さん、汐崎順子さん、佐川祐子さんに紹介してもらいました。
◆寝る前に読み聞かせ 俳優・石黒賢さん◆
五右衛門風呂とはどういうものか。小学校高学年の頃、大好きだった本の中に出てきて「熱いのかな、気持ちいいのかな」とあれこれ考えたものです。本を通じて、見たことも聞いたこともない、知らない世界を想像する楽しさを学びました。
小学生の頃は虫や恐竜、星などの秘密シリーズといった科学的な読み物や、推理小説が好きでした。当時の思い出は鮮烈で、繰り返し読んだ話は記憶に刻まれています。
高校、大学時代はあまり読まなかったのですが、20代前半頃から、夏目漱石や太宰治を読むようになりました。
ここ5年ほどは、子どもに絵本の読み聞かせをしています。特別な準備をしなくても技術がなくてもできます。寝る前の10分、20分間、読むだけで、すごく柔らかい時間が流れます。子に良かれと思って始めたのですが、僕自身のためにもなってます。
作品から学ぶこともたくさんあります。たとえば、サンテグジュペリの「星の王子さま」。大人にわからないことが子どもにはわかる。いつのまにか、柔軟性というか自由な発想をなくしてしまったことに気付かされました。
普段はなかなか時間がとれないお父さんやお母さんも、この夏休み、読み聞かせをしてみたらいかがでしょうか。
最近、米国の書店で出会った絵本を「面白い」と日本に持ち帰ったら、翻訳することに。リズミカルでシンプルな文にするのは難しくて、十数回書き直しました。余計なものをそぎ落としたうえでわかりやすい表現にするのは、思ったより大変な作業でした。
これからも様々な本に出会い、その魅力を伝えていきたいと思います。
子どもには、「本を読みなさい」とは言いたくないんです。言われて読むものではないと思うから。ただ、子どもが読みやすい環境を作ろうとしています。みんなで過ごすリビングに本を置いておき、調べ癖も付くように。僕自身も子どもが見ている前で本を読むようにしています。