03年3月、米国は国際社会の制止を振り切ってイラク侵攻に踏み切った。その後のイラクがどうなったか。10月13日のイラク政府発表によると、08年10月まで、8万5694人のイラク人………[記事全文]
[評者]松本仁一(ジャーナリスト) [掲載]2009年11月1日
帯に、「タレスからデリダまで、古今東西190余名の哲学者たちの臨終図鑑」とある。この間、約二千六百年。人間にとって永遠の難問である死に向き合い、精神の営み一つで死を克服せんとして………[記事全文]
[評者]高村薫(作家) [掲載]2009年11月1日
武誠治(たけ・せいじ)という主人公、もともとはのんきな性格である。24歳。フリーター。〈このままではまずいな、という危機感はうっすらと心のどこかにある〉ものの、〈まだまだ大丈夫。………[記事全文]
[評者]重松清(作家) [掲載]2009年11月1日
目覚ましい躍進を続けている中国。しかし他方で深刻な環境汚染やエイズなど感染症の広がり、貧しい人々の悲惨な状況や抗議、彼らに対する権力者の弾圧や甚だしい腐敗などが頻繁に伝わってくる………[記事全文]
[評者]天児慧(早稲田大学教授・現代アジア論) [掲載]2009年11月1日
3歳で失明した男が46歳を過ぎて視力を回復したらどうなるか? 視力を得て初めて見る世界は驚異の連続だ。この男マイク・メイは盲目時代に何ひとつ不自由なく、幸せな人生を生きていたので………[記事全文]
[評者]横尾忠則(美術家) [掲載]2009年11月1日
ソ連と東欧諸国が90年前後に社会主義体制から資本主義に転換したのに比し、アジアでは80年代に中国とベトナムの両国が社会主義の「建前」を崩さずに市場化に対応してきたのはなぜなのか。………[記事全文]
[評者]南塚信吾(法政大学教授・国際関係史) [掲載]2009年11月1日
この本が、あるヴァイオリニストによるバッハの演奏を評した言葉。「気持ちの入りようは半端ではない。濁る和音。外れる音程。何も恐れることはない、といわんばかりにゴリゴリ押しまくる。圧………[記事全文]
[評者]苅部直(東京大学教授・日本政治思想史) [掲載]2009年11月1日
本書は、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の行員時代、大阪の財団法人・飛鳥会のボス小西邦彦と渡り合った「汚れ役」岡野義市の記録だ。 小西は、部落解放運動家と元暴力団員の二つの顔を………[記事全文]
[評者]江上剛(作家) [掲載]2009年11月1日
文学界新人賞を受賞した「白い紙」はイラクとの戦争下のイランの高校生の淡い恋を描く。学業優秀な少年ハサンは「白紙」の将来に、大学に進学し医師になるという夢を描こうとする。だが、父が………[記事全文]
[掲載]2009年11月1日
英国のジャーナリストが世界のトイレ事情を探る。温水洗浄便座が普及している日本も取材しているが、興味深いのは世界で26億人いるというトイレのない暮らしをしている人々の実情だ。手作業………[記事全文]
[掲載]2009年11月1日
季節の気配は空のなかにある。きょうは空いちめん、絹糸のようなすじ雲が広がっていた。 空は刻々とうつろう。ひとのこころもまたおなじ。そのふたつのありさまに気象の専門家として自身を………[記事全文]
[評者]平松洋子(エッセイスト) [掲載]2009年10月25日
近年、小さな政府の思想は至る所で不人気である。本書はその立場からアメリカ経済の歴史を辿(たど)り、オバマ政権の経済政策を正面から批判したものだ。 著者の一人ラッファーは、減税を………[記事全文]
[評者]久保文明(東京大学教授・アメリカ政治) [掲載]2009年10月25日
SFの仕掛けを扱いながらSFではない。並行世界が語られても、誰かがそこに横っ跳びしたりはしない。滋味に富む洞察にあふれ、うたい文句の通りの「哲学的ミステリ」である。 主人公の一………[記事全文]
[評者]尾関章(本社論説副主幹) [掲載]2009年10月25日
美しい腕時計や本が買いたくなる。どうして腕時計と本なのかというと、どちらも小宇宙を感じさせるからだ。そのなかに一つの世界が閉じ込められていることに惹(ひ)かれる。本当は世界や人生………[記事全文]
[評者]穂村弘(歌人) [掲載]2009年10月25日
今日のイスラーム世界は、主流派であるスンナ派がほぼ9割、シーア派が1割を占めている。後はごく小さな分派がいくつかあるだけで、イスラームに宗派が多いというのは誤解である。しかし、最………[記事全文]
[評者]小杉泰(京都大学教授・現代イスラーム世界論) [掲載]2009年10月25日
教養崩壊とよく言われるが、その教養とは、何を意味するのか。とりあえず今では、論者によってさまざまであろう。 しかしかつて大正時代には、ドイツ語のビルドゥングの訳語という、明らか………[記事全文]
[評者]苅部直(東京大学教授・日本政治思想史) [掲載]2009年10月25日
タイは1980年代から90年代にかけて急成長を遂げ、アジアの中進国として注目されてきた。しかし昨年11月バンコクの国際空港の占拠、今年4月パタヤーでのASEAN・東アジア首脳会議………[記事全文]
[評者]天児慧(早稲田大学教授・現代アジア論) [掲載]2009年10月25日
戦時下の1943年に公開された「姿三四郎」以来、著者は黒澤監督の全作品をリアルタイムで見てきたという。その時々の映画評や関係者の証言なども引用されるが、向き合うのはもっぱら作品と………[記事全文]
[掲載]2009年10月25日
男らしい欲望を欠く「草食系男子」が増えた、と言われる昨今。そんな時代における「男らしさ」とは何かとの問いを、10人の学者たちがポピュラー文化の特徴的な事例から考察した。格闘家の身………[記事全文]
[掲載]2009年10月25日
両書がドイツ、オーストリアで出版された折には一大センセーションを巻き起こしたという。訳者のあとがきによれば、ナチズム研究の一方向が開かれることになったというが、ほぼ十年を経て日本………[記事全文]
[評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2009年10月18日
歌舞伎や文楽を生み出した時代と社会を眼前に再現してくれる大著である。例えば次の一節に惹(ひ)きつけられた。1820年、三代目坂東三津五郎は大坂興行に向かう前に江戸中村座で「上坂(………[記事全文]
[評者]石上英一(東京大学教授・日本史) [掲載]2009年10月18日
私の本棚には折原一の「冤罪者」「失踪(しっそう)者」「誘拐者」「沈黙者」という「者」シリーズが並んでいる。折原の本だけは書店で見つけると、なぜか買ってしまう。なぜ、こんなにも折原………[記事全文]
[評者]江上剛(作家) [掲載]2009年10月18日
憲法学者による論文集で、版元も新興の学術出版社であるが、本文と注でとりあげている人名に、まずびっくりする。カール・シュミットや樋口陽一など、高名な法学者は当たり前としても、政治哲………[記事全文]
[評者]苅部直(東京大学教授・日本政治思想史) [掲載]2009年10月18日
アメリカには計3年暮らしたが、街が完全に自動車中心にできていて、その「豊かさ」のイメージとは正反対に中心部は荒廃し実に味気なかった。ヨーロッパの街は概して全く対照的で、歩いて楽し………[記事全文]
[評者]広井良典(千葉大学教授・公共政策) [掲載]2009年10月18日
イエス・キリストの兄弟にヤコブがいて、イエスの死後、使徒たちの中にあって十分に有力な地位を占めていたらしいことは新約聖書の記述から推定されている。 そのヤコブの骨箱が発見され2………[記事全文]
[評者]阿刀田高(作家) [掲載]2009年10月18日
江戸開闢(かいびゃく)いらい、東京ではどれほど多くの死があったのか。82歳の老文学者が、その骨灰の埋葬地や慰霊碑を歩きまわって回顧する。洒脱(しゃだつ)な紀行文だが、一つ一つの死………[記事全文]
[評者]松本仁一(ジャーナリスト) [掲載]2009年10月18日
公害訴訟や公共工事の差し止め請求訴訟などでいつも住民側の原告適格が問われ、門前払いになることが多いのはなぜか。国政選挙の一票の格差をめぐる訴訟で、いつも「合理性を欠くとまではいえ………[記事全文]
[評者]高村薫(作家) [掲載]2009年10月18日
受験生本人はもちろん、毎年、学校関係者を一喜一憂させる(?)東大合格者の高校別ランキング。1949年から2009年まで、その移り変わりを60年間にわたって分析した本だ。学区制の変………[記事全文]
[掲載]2009年10月18日
今年7月、68歳で亡くなった著者が、入院前に編集者に託した最後の本。もっとも、本人は退院するつもりだったろうけど。落語の毒を抽出し、パロディーで濃縮したような当代快楽亭ブラックの………[記事全文]
[掲載]2009年10月18日