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[掲載]2005年07月17日[評者]苅谷剛彦
学校にも行かない、仕事もしない「ニート」と呼ばれる若者が増えている。多くの人々が、不安を感じ、問題だと見るニートが、どうして「希望」なのか。その答えは、不登校や引きこもりの若者と接し、「働きたくない」のではなく、「働けなく」なってしまった彼ら(登場するのは圧倒的に男の子だ)と、親たちとの関係を見据え、支援してきた著者の長年の経験から導き出されたものである。
大切に育てられた若者たちが直面する「社会」という壁。それを、あまり無理せず乗り越えるために、寮での共同生活や仕事場の提供を続けてきたNPO「ニュースタート事務局」の実践報告でもある。
「スローワーク」のすすめや、「あらゆる家族は出来損ない」という指摘にはなるほどと思う。効率重視の働き方や、無理を重ねがちな子育てのあり方から少し離れ、肩の力を抜こう。そんな、誰もが「いい加減」に生きていける社会づくりをめざす提言でもある。
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