2005年11月16日11時00分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOKこのサイトの使い方へ検索へジャンプメインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

 » asahi.comツールバー: 検索機能がアップ

  

 » プーシキン美術館展: モネ、ルノワール、マティス、ピカソ…

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > 書評 > 青木昌彦記事

書評

証言 戦後日本経済―政策形成の現場から [著]宮崎勇

[掲載]2005年11月13日
[評者]青木昌彦

 本書は、戦後日本の経済政策の形成に枢要な役割を果たしてきた宮崎勇氏のインタビューの記録である。

 氏は戦後大学卒業とともに経済安定本部に入り、傾斜生産方式の運営に携わったのを始めとして、経済企画庁で所得倍増計画の作成、高度成長時代の『経済白書』の執筆、石油ショック時代と初期サミットにおける国際交渉、退官後の構造改革プランへの参画、村山内閣への入閣など、日本経済の戦後史のあらゆる局面で、要になる現場にいた。氏の精密な記憶力と正確な表現力、バランスのとれた評価、情緒を排した語り口は、インタビュアー(中村隆英氏ら)の用意周到な問いと相まって、この本をオーラルヒストリーとして価値ある作品に仕上げた。戦後経済史を学ぶのに必読書となるだろう。

 だが評者は、この本に単なる歴史の当事者の証言、記録にとどまらない現在的な価値のあることも感じた。一つは制度改革と安定的なマクロ経済運営はお互いに補い合う関係にあり、どちらか二者択一の関係というわけではない、という氏の洞察である。最近英国の「エコノミスト」誌が展望したように、失われた十年来の漸増的な(インクレメンタル)改革が累積して、日本は新しい安定的な成長軌道を可能にしうるような制度変化を成し遂げつつある。これをさらに推し進めるには、残る大きな問題である財政と社会保障の改革を、きちんとしたマクロ予測にもとづいて処理することが必要だ。氏は90年代央における景気回復が、性急な財政改革の試みによって挫折したことを痛恨の念を持って回顧するが、それは政治家に対し正確な情報を伝達せず、ミスリードした財政当局に責(せめ)があったとみる。

 本書は氏の国際協調への熱情をも明らかにする。軍縮へのエコノミストとしてのかかわり、中国の経済学者や政策当局者との持続的な交流、OBサミットの運営など、その活躍は多岐にわたるが、かつて特攻隊員を教官として送り出したという辛(つら)い経験が原点にあるのだろう。国際協調を前提とした愛国心を「新世紀のエコノミスト」に望むとき、沈着冷静をもって鳴る氏の言葉は熱を帯びる。



関連情報

    ここから広告です 広告終わり

    書籍詳細

    表紙画像

    証言 戦後日本経済 政策形成の現場から

    • 著者: 宮崎 勇
    • 出版社: 岩波書店
    • ISBN: 4000233343
    • 価格: ¥ 3,990

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.