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[掲載]2005年11月20日[評者]佐柄木俊郎
国家や社会が戦争などの危機に瀕(ひん)した時、「国益」「公益」の名による弱者迫害や人権侵害がしばしば起きる。ジャーナリズムはどこまでそれに抗し、「監視犬」の役割を果たし得るか——第2次大戦の日系人強制収容問題を素材に、現代的でもあるこのテーマに取り組んだ労作である。
取り上げたのは、リベラル派雑誌「ニュー・リパブリック」「ネーション」の2誌と「日米」など邦字紙2紙。日本軍の真珠湾奇襲後、米国のメディアはそれまで日本寄りだった邦字紙も含め、戦争協力一色に染まる。しかし2誌は、日系人の一斉立ち退き・強制収容政策には批判的視点を失わず、戦時ヒステリアや人種偏見に一定の警鐘を鳴らす。米言論の懐の深さの表れともいえるであろう。
時を経て、米政府は80年代に強制収容を誤りと認めて謝罪。1人2万ドルの補償が行われた。改めて言論の役割や「真の国益とは」を考えさせられる。
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