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書評

人は歌い人は哭く大旗の前―漢詩の毛沢東時代 [著]木山英雄

[掲載]2005年12月04日
[評者]加藤千洋

 中国の古詩には左遷中の作者が残した秀作が少なくないが、本書が取り上げる現代の旧体詩の作者も1人を例外とすれば、いずれも政治運動の荒波をかぶって迫害された革命家、政治家、教授、作家、翻訳家といった知識人である。

 彼らは公的な表現の場を奪われたがゆえに、わざわざ伝統的な定型詩詞の形を借り、表現や典拠に細心の注意をはらいつつ政治的受難の境涯を嘆じ、権力への批判や恨みを吐露した。

 中国知識人の古典に借りた修辞術は伝統的なワザであり、その注釈は至難である。それを中国文学史と思想史のすぐれた研究家である著者が、深く読み込んだ点が本書の魅力だろう。

 ただ1人の例外とは毛沢東だ。詩人としての資質を持つ政治家ではあるが、文芸思想論争を政治闘争に切り替え、多くの文学者に冤罪の帽子をかぶせた責任は免れまい。その典型例ともいえる50年代の「反革命事件」の主人公・胡風の作品の多くは獄中詩である。



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    書籍詳細

    表紙画像

    人は歌い人は哭く大旗の前 漢詩の毛沢東時代

    • 著者: 木山 英雄
    • 出版社: 岩波書店
    • ISBN: 4000019368
    • 価格: ¥ 3,570

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