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[掲載]2005年12月25日[評者]青木昌彦―書評委員のお薦め「今年の3点」
青木昌彦さん 8月モロッコでの国際経済学連合総会で「制度変化」の招待講演、次期会長(08年〜11年)に選出。
(1)マオ 誰も知らなかった毛沢東 上・下(ユン・チアン、ジョン・ハリデイ著、土屋京子訳)
(2)憤青 中国の若者たちの本音(沙柚著)
(3)ボブ・ディラン自伝(菅野ヘッケル訳)
大躍進や文革時代の毛の凄(すさ)まじい権力志向についてはこれまでも公にされてきたが、(1)は前革命時代にも同じような行動パターンがあったとする。ソ連邦、コミンテルンの資料や関係者の証言に基づいて、スターリン、毛、蒋介石の間の駆け引きが織りなす日中戦争と国内戦争・革命の展開について新「事実」を提供する。これからの史実的検証に耐えれば、20世紀中半の東洋史(神話)の書き直しを迫るインパクトをもつだろう。
(2)は反日運動の最中、北京を再訪した日本在住の中国人作家が、庶民に鬱積(うっせき)するフラストレーションをヒューマニスティックな筆致で描く。歴史認識や靖国問題についての著者の見解にも共感を覚えた。これからの日中問題を考えるのに、良い参考書だ。
(3)は創造力がいかに培われるか、若い人たちに良き示唆を与える。
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