(1)義務教育を問いなおす(藤田英典著)
(2)若者と仕事 「学校経由の就職」を超えて(本田由紀著)
(3)桜が創った「日本」(佐藤俊樹著)
しっかりした論拠や実証に基づく十分な検証も、国民に丁寧に論点を示す議論もなく、「改革、改革」の声に押されつづけた2005年。本質的な議論に目を向けるための3冊を選んだ。
(1)は「三位一体の改革」で焦点となった義務教育費国庫負担金制度改廃の論点などを示すとともに、「改革至上主義」と呼ばれるような、改革のための改革が進む教育界を戒める。
(2)は本田のデビュー作。ニートだ、フリーターだ、下流だと、言葉ばかりが踊る中で、若者にとって仕事への移行がそもそも困難な課題であることを実証的に解明。野心的な政策提言も盛り込む。
(3)はソメイヨシノを中心に、桜と日本のイメージがどのように創(つく)られたのかをシステム論的に検討しながら、日本の近代と「日本(人)らしさ」のあやしげな関係の成り立ちを解き明かす。目から鱗(うろこ)の一冊。