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[掲載]2005年12月25日[評者]高橋源一郎―書評委員のお薦め「今年の3点」
高橋源一郎さん 4月から大学の教壇に。試験監督をし、ゼミの学生を率いて合宿も。自分の学生時代は授業にすら出ていなかったが。
(1)文芸漫談 笑うブンガク入門(いとうせいこう、奥泉光、渡部直己著)
(2)アメリカン・ナルシス(柴田元幸著)
(3)小説の自由(保坂和志著)
多くの優れた小説が刊行された。だが、小説以外のものでも素晴らしい収穫があった年だ。(1)は近現代文学についてあまりに真剣に考えすぎた結果、笑いのめす以外、手段はないという境地に至った快作。「生きる現代文学」(?)奥泉光の苦衷に満ちた蝶(ちょう)ネクタイ姿が痛ましい(あるいは、微笑〈ほほえ〉ましい)。(2)は、アメリカ文学の本質を「自己の似姿」を求めるナルシスとして描きつつ(そのことについてはまったく書いていないのに)アメリカを「自己の似姿」としてきた日本文学に思いを馳(は)せさせてしまう魔法の書。(3)は、小説家による「小説の正しい読み方」の提示。小説に「正しい読み方」なんてあるのか? あるんです! ほとんどの人の、小説の読み方は間違ってるの? その通り、間違ってます! この3冊を読めば、小説というものがいままでと違って見えることは間違いない!
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