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[掲載]2006年02月26日[評者]苅谷剛彦
テレビでもおなじみの「サザエさん」は、やはり4コマまんがのほうが味わいがある。大胆に省略された背景にも、4コマに凝縮された人間関係にも、その時代の息吹が映し出されているからだ。本書は、そんな「サザエさん」を素材に、昭和という時代を振り返る、本紙beの連載をまとめた単行本である。
押し売りにちゃぶ台にたき火、現金支給のボーナスなど。今では見られなくなった風物をマンガとともに回顧することで、戦後日本の大変動期の移りゆく様が浮かび上がる。
長谷川町子の時代活写とユーモアのセンスについては言うまでもないが、その妙味を生かしながら、テーマごとに関係者の話を交え、時代背景を小気味よくまとめた解説記事は、ただただ郷愁を誘うだけでない。その時代を生きた人にも、目からウロコの新たな発見がある。こういう時代を経て、今に至ったのだとの感慨を持つだけでも、手にする価値のある一冊だ。
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