2006年03月29日14時34分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOKこのサイトの使い方へ検索へジャンプメインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

 » 選抜高校野球: 出場32校の熱戦スタート

  

 » ベルばらKids: コミック、CDなどプレゼント

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > 書評 > 天外伺朗記事

書評

ブルックスの知能ロボット論 [著]ロドニー・A・ブルックス

[掲載]2006年03月05日
[評者]天外伺朗

 86年に、その後の人工知能やロボットの世界を一変させる論文が出た。それが著者による「サブサンプション(包摂)アーキテクチャ(SA)」だ。

 それまでの自律ロボットは、外部環境の認識とモデルの構築、行動計画の作成と選択などを直列的に計算していた。SAでは、面倒な計算を一切せず、反射的な行動を並列的に計算するだけで、複雑な環境の中でうまく立ち回れることを示した。具体的には、衝突防止、彷徨(ほうこう)、探索の3層構造になっており、下位の層の機能をうまく利用(包摂)するというのが名前の由来だ。

 これにより、知能には身体が必要で、環境との相互干渉によりそれが発現することが明らかになり、それまでの記号処理型の人工知能の限界が露呈した。

 本書は、そのとっぴな発想がいかに生まれたかを丹念に語っている。昆虫の行動をヒントに毎日思索し、次第にSAが煮詰まっていくくだりは圧巻。じつは、妻の宗教上の理由で、このとき彼はタイ南部の川の中の水上住宅に、言葉が通じない状態で3週間幽閉されていたのだ。

 著者はさらに「意識とは何か」「人間は特別な存在か」などの哲学的な議論を進め、いずれは人間と機械の境界がなくなるが、そのためには「生命のジュース」と呼ぶべき、未知の計算プロセスの発見が不可欠と主張している。

 本書では触れていないが、SAから出発した潮流は「身体性認知科学」「認知発達ロボティックス」などの新学問分野を生み、主としてスイスや日本で発展した。私自身は、脳科学への貢献を含めて「インテリジェンス・ダイナミクス(動的知能学)」と呼ぶことを提唱している。著者のいう「生命のジュース」は「インテリジェンス・モデル」と名付けられ、多様な経験の記憶がいかに一般化され、次の状況で役立つか研究されている。

 訳者は、日本でSAが議論されていないことをあとがきで嘆いているが、それは理解が浅いからではなく、あっという間に乗り越えて先に行ってしまった、というのが真相だろう。

 知能研究の源流を教えてくれる好著。


ここから広告です
広告終わり

関連情報

    書籍詳細

    表紙画像

    ブルックスの知能ロボット論—なぜMITのロボットは前進し続けるのか?

    • 著者: ロドニー ブルックス
    • 出版社: オーム社
    • ISBN: 4274500330
    • 価格: ¥ 3,360

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.