2006年03月29日11時04分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOKこのサイトの使い方へ検索へジャンプメインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

 » 選抜高校野球: 出場32校の熱戦スタート

  

 » ベルばらKids: コミック、CDなどプレゼント

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > 書評 > 青木昌彦記事

書評

日はまた昇る―日本のこれからの15年 [著]ビル・エモット

[掲載]2006年03月19日
[評者]青木昌彦

 外国人による評価がとても気になる日本人にとって、その共同意識に影響を与えるような書物が節目、節目に現れることがある。四半世紀前にでたボーゲルの『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は、著者の意図とは関(かか)わりなく、大いに日本人の集団的自己意識のバブルに貢献したし、また90年のエモットの『日はまた沈む』は、続く集団的「喪失症候群(シンドローム)」(いわゆる「失われた十年」論)の先駆けとなった。本書は同じ著者による対照的なタイトルの論攷(ろんこう)だ。

 日本は失われた十年といわれる間にも様々な斬新的改革(ルール、慣習、プラクティスなど)を続けた。その累積的な効果は殆(ほとん)どの人が気づいている以上に政治と経済と金融市場を変え、生産性向上による新しい持続的成長を可能としている、というのが本書の主要なメッセージだ。同意しうる歴史評価である。しかし、その変化は一つのグランドデザインにもとづいて起きたのではないだけに漸進的であり、未完である。この本は喪失症候群の治療には効くだろうが、「日本復活宣言」などと浮かれていると、また逆に振れてしまう。自戒が必要である。

 とくに目を引かれたのは、中国の興隆と政治的不安定性、朝鮮半島の政治的統一の可能性という地政的大変動の見通しのなかで、日本がとるべき国際戦略の提案だ。日本は勝ち目のない地域の指導権(リーダーシップ)を巡って中国と争うより、地域機構や条約という地域ルールや手続きの設定に積極的に参画し、それを梃子(てこ)に隣国の「横暴」を抑制するのが良いという。それによって、経済的安定性と民主主義的成熟度を測る「水路標識」としての役目を果たし、世界の問題についての発言力も強まる。これは欧州でかつてフランスが抱き、成功した野心になぞらえられるという。靖国問題についても一見奇想天外だが、一考に値する指摘がある。

 「着実に歩む亀(日本)が、足の速い兎(うさぎ)(中国)に勝つ」という御託宣を担ぎ回るより、国益となる地域的・国内的ルールの設計を冷静に考える、という英国流発想に触れるところに、日本人にとっての本書の本当の価値があろう。


ここから広告です
広告終わり

関連情報

    書籍詳細

    表紙画像

    日はまた昇る—日本のこれからの15年

    • 著者: ビル・エモット
    • 出版社: 草思社
    • ISBN: 4794214731
    • 価格: ¥ 1,260

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    書籍詳細

    ジャパンアズナンバーワン—アメリカへの教訓

    • 著者: エズラ F.ヴォーゲル
    • 出版社: TBSブリタニカ
    • ISBN: 4484000490
    • 価格: ¥ 1,366

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    書籍詳細

    日はまた沈む—ジャパン・パワーの限界

    • 著者: ビル エモット
    • 出版社: 草思社
    • ISBN: 4794203721
    • 価格: ¥ 1,835

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.