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書評

ジョン・コルトレーン 『至上の愛』の真実 [著]アシュリー・カーン

[掲載]2006年03月26日
[評者]松原隆一郎

 ジャズの名盤の中でも、コルトレーンの『至上の愛』は、最高位の敬意を表されてきた。ところがこのアルバムには謎がある。彼の「黄金のカルテット」は結成期間である3年の間、「マイ・フェイバリット・シングス」をほぼ毎日のように演奏し、無数のライブ盤が流通しているのに、この組曲はほとんど公開演奏されていないのだ。

 本書は膨大な資料と新たな証言を巧みに構成することで、この偉大なサックス奏者がR&Bのテナー吹きからマイルス楽団を経て巨人へと成長する過程を追い、ビートを放擲(ほうてき)した晩年までを感動的に描いている。他の曲が錯綜(さくそう)した音楽技術を追求するのに対し、『至上の愛』は彼の幼児からの宗教体験に回帰した点で隔絶しているのだ、という謎解きには納得した。

 晩年には練習風景を観客が安く覗(のぞ)けるロフトを探していたとか、オリジナル・テープは廃棄されたといった逸話も満載。


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    書籍詳細

    表紙画像

    ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実

    • 著者: アシュリー カーン
    • 出版社: 音楽之友社
    • ISBN: 4276232805
    • 価格: ¥ 3,780

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