NGOは政府や企業と距離を置き、地味で小規模な援助活動をやるもの——。
そんな常識を覆して、全方面巻き込み型の民間海外援助システムをぶち上げたのが、著者の大西氏だ。氏のNGO「ジャパン・プラットフォーム」に対して、政府や企業の下請けに成り下がっている、と見るか、NGOの活性化と機能拡大に効果大と評価するかで、従来のNGOの間では議論百出だろうが、弱冠20歳代で自前のNGOを設立し、30歳代前半でそれを統括する組織を作り上げる才覚は、刮目(かつもく)に値する。
なんといってもこの風雲児が名を上げたのは、アフガニスタン支援会議へのNGO参加を巡る鈴木宗男議員、そして外務省との攻防だろう。湾岸戦争後のイラク・クルド地域で地雷を踏み(幸いにも不発)、東ティモールで雨で体を洗っていた青年が、国会に参考人招致される。その生々しいやりとりが、本書で綴(つづ)られる。
NGO活動は、やさしい気持ちだけではない、営業も政治もできないとダメなんだなと、冷徹な現実を知らされる。タフさが要求される仕事。けど、百戦錬磨を売りに紛争経験自慢のオヤジになったら、あかんで、大西はん。