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書評

宇宙飛行士は早く老ける? [著]ジョーン・ヴァーニカス

[掲載]2006年10月08日 [掲載]2006年10月08日
[評者]最相葉月(ノンフィクションライター)

■重力と老化の関係を考察

 質問。地球から重力が無くなれば体はどうなるでしょう。答えは、老ける。血圧は上昇、骨はスカスカ、筋力は衰え、耳の聞こえは悪くなり、めまいがする。重力が戻っても、赤ちゃんのようによちよち歩き、人によっては失神する。

 といったことは、過去の宇宙飛行士が体を張って証明してきた科学的事実で、巷(ちまた)にあふれるアンチエイジング商品よりはるかに説得力に富む老化予防の秘訣(ひけつ)が本書には書かれている。

 仮説にまず引かれた。それは、老化現象とは長い人生をかけて重力の恩恵を徐々に避けるようになることが原因ではないかというもの。寝たり座ったりする時間が長くなれば若々しさを失うことは感覚的にわかるが、それを重力との関係から考察していくのだ。元NASAの生命科学部門責任者で、健康な男女にベッドで数週間寝てもらう実験を考案した著者によれば、宇宙に2週間いた30〜50代男性とベッドで30日間寝た同年代の男性と70代男性では筋肉の衰えがほぼ同じという。

 地球に帰還すると紙一枚が重く感じるという宇宙飛行士。華やかな報道の陰で彼らの心身に何が起こり、どんなリハビリで健康を回復してきたかも意外性に満ちている。

    ◇

白崎修一訳


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書籍詳細

表紙画像

宇宙飛行士は早く老ける?—重力と老化の意外な関係

  • 著者: 向井 千秋・日本宇宙フォーラム・ジョーン ヴァーニカス
  • 出版社: 朝日新聞社
  • ISBN: 4022599057
  • 価格: ¥ 1,365

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