2006年12月06日11時24分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOK

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbeどらく

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > 書評 > 池上冬樹記事

書評

彼女がその名を知らない鳥たち [著]沼田まほかる

[掲載]2006年12月03日
[評者]池上冬樹(文芸評論家)

■悪酔い誘う男と女の深い闇

 『九月が永遠に続けば』で第五回ホラーサスペンス大賞を受賞した沼田まほかるの第二作。相変わらず鳥肌たつほどの不気味さで気色悪い。でも面白い。

 三十三歳の十和子は、八年も前に別れた黒崎のことが忘れられなかった。ふとしたきっかけで、自信過剰タイプの中年男の陣治と関係をもつようになり、生活をともにするようになるが、ある日、陣治の部屋から黒崎からもらったピアスを発見する。いったいなぜここにあるのか? 

 こうして男と女の関係の深い闇が静かにあきらかになっていくのだが、読者はいつしか悪酔いしたような気分になる。目に見えるものがすべて歪(ゆが)み、しかもたえず揺れていて、いつしか悪臭がしてくる。精神の腐臭ともいうべき妄執と破壊と狂気のイメージが重なり、深く捉(とら)えられて身動きできなくなるからだ。逃れたい。一刻も早く立ち去りたくなるけれど、とことん最後まで覗(のぞ)きたくなる。

 おそらく途中で真相に気づくだろう。それでもおりられない。どこまでも暗く重く異常で、どこまでもリアルで切迫しているからだ。救いのなさが逆に絵になる、とびきりの絶望の物語。異様に明るい関西弁が狂気を研いでいて、怖い。


ここから広告です
広告終わり

関連情報

    書籍詳細

    表紙画像

    彼女がその名を知らない鳥たち

    • 著者: 沼田 まほかる
    • 出版社: 幻冬舎
    • ISBN: 4344012399
    • 価格: ¥ 1,680

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    書籍詳細

    表紙画像

    九月が永遠に続けば

    • 著者: 沼田 まほかる
    • 出版社: 新潮社
    • ISBN: 4104734012
    • 価格: ¥ 1,680

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.