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書評

ザ・ペニンシュラ・クエスチョン [著]船橋洋一

[掲載]2006年12月24日
[評者]野村進―書評委員のお薦め「今年の3点」

 (1)ザ・ペニンシュラ・クエスチョン(船橋洋一著)

 (2)それでも家族を愛してる(ポー・ブロンソン著、桐谷知未訳)

 (3)戦争大統領(ジェームズ・ライゼン著、伏見威蕃訳)

 ノンフィクションの分野でも、「白」か「黒」かのわかりやすい物語や、お涙頂戴(ちょうだい)ものが持て囃(はや)されている。そんな流れに抗する3冊。いずれも、混沌(こんとん)を混沌のまま受け止めて表現する著者の“体力”を感じさせる。

 (1)は、不穏な北朝鮮をめぐる、外交の舞台裏を緻密(ちみつ)に再現した大作。日米だけでなく韓国、中国、ロシア、そして北朝鮮の当事者たちにインタビューを重ねているのは、アメリカの調査報道には見られない“全方位的”取材方法である。

 (2)は、第三者の書き手が家族を描いて成功した稀(まれ)なノンフィクション。19の多種多様な家族が登場するが、どれもすっきりとは終わらない。読者にその場限りのカタルシスを与えない姿勢を貫くには、よほどの“体力”が要る。

 (3)は、アメリカの調査報道の底力を改めて感じさせる一冊。(1)と読み比べるとおもしろい。

    ◇

 野村進 11月に『千年、働いてきました』(角川書店)を出した。8〜9月にトルコを訪ね、イスタンブールの地下宮殿で物思いにふける。


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    ザ・ペニンシュラ・クエスチョン—朝鮮半島第二次核危機

    • 著者: 船橋 洋一
    • 出版社: 朝日新聞社
    • ISBN: 402250241X
    • 価格: ¥ 2,625

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    それでも家族を愛してる

    • 著者: ポー・ブロンソン
    • 出版社: アスペクト
    • ISBN: 4757213050
    • 価格: ¥ 2,310

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    戦争大統領—CIAとブッシュ政権の秘密

    • 著者: ジェームズ ライゼン
    • 出版社: 毎日新聞社
    • ISBN: 4620317802
    • 価格: ¥ 1,680

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    千年、働いてきました—老舗企業大国ニッポン

    • 著者: 野村 進
    • 出版社: 角川書店
    • ISBN: 4047100765
    • 価格: ¥ 740

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