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書評

本当は知らなかった日本のこと [著]鳥越俊太郎、しりあがり寿

[掲載]2007年01月21日
[評者]香山リカ(精神科医、帝塚山学院大学教授)

■「つながり」見抜く思考法を

 この本は、日本と日本を取り巻く世界で起きているすべての問題はつながっている、ということを、もれなくかつわかりやすく説こうとした本だ。

 たとえば、現在の「ロハス・ブーム」の端緒は高度成長時代の公害問題で……といった物語がダイナミックに展開される。そういう思考って、今の人たちがいちばん苦手とするところだ。ただ、そうなるとこの本では当然、それぞれの項目をくわしく語ることはできなくなる。

 でも、筆者のひとり、鳥越俊太郎は、マニアックであることよりも「バラバラに見える現象が実はつながっている」と読者に伝えることを選ぼうとする。そして、章ごとに挿入されるしりあがり寿のときとして哲学的なマンガが、「本質を見抜け」という鳥越のメッセージをさらに強化している。

 「少子高齢社会」「団塊問題」「軍産複合体」など日本社会のあれこれを語ったあとで、鳥越は最近の日本社会全般が「強いもの」を求める風潮になってきている、とまとめる。それはいいこと? 悪いこと? 目の前の損得だけにとらわれず、がんばって考えてみてほしい。思考のヒントや材料は、この本の中にちゃんとあるはずなのだから。


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    書籍詳細

    表紙画像

    本当は知らなかった 日本のこと

    • 著者: 鳥越 俊太郎・しりあがり 寿
    • 出版社: ミシマ社
    • 価格: ¥ 1,575

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