2007年02月21日11時53分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOK

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbeどらく

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > 書評 > 角田光代記事

書評

貧困の光景 [著]曽野綾子

[掲載]2007年02月18日
[評者]角田光代(作家)

■善意の届け先の現実を直視

 テレビ画面に痩(や)せこけた異国の子どもが映る。たった百円で何人の子どもの命が助かるとアナウンスが流れる。募金先が提示される。心を動かされれば、人は幾ばくかの寄付をする。これはまぎれもなく善意だ。しかしその先を、私たちは考えない。ある金額を寄付した段階で、私たちは何人の子どもの命を救ったと思いこむ。善意は善意のままだれかに届くと、まっさらな善意で錯覚する。

 本書は、善意で止まってしまう私たちの想像力の、その先を書いている。

 キリスト教徒として生きる著者が、貧困にあえぐ地域を実際に訪ね、底なし沼のような果てのない風景を描き出す。同情やきれいごとをさっぱりと拒絶し、貧困というものの正体を見極めていく。同時に、年収の差異で格差を語る豊かな私たちの、想像力の麻痺(まひ)をも静かに指摘する。貧困の風景とは、まさに何かに鈍磨した日本の風景でもあるように、私には思えた。

 「ならば、どうすればいい」という解答は、ここにはない。著者の味わう絶望を、読み手も味わうことになる。しかし、絶望からはじめなければならないこともある。少なくとも、著者がその手で得た希望は、そこから生じている。


ここから広告です
広告終わり

関連情報

    書籍詳細

    表紙画像

    貧困の光景

    • 著者: 曽野 綾子
    • 出版社: 新潮社
    • 価格: ¥ 1,365

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.