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[掲載]2007年02月25日[評者]北田暁大(東京大学助教授・社会学)
社会構成(構築)主義とは、私たちが「自然」で疑いえないと思っているような事柄が、歴史的・社会的なプロセスのなかで構成された、とする思考法のこと。ここ十数年ほど、日本の人文社会科学においても大きな影響力を持つようになった考え方だ。
この構成主義、明らかな文化的構成物に留(とど)まらず、「生物学的性差」や「クオーク」のような自然科学的な対象をも分析の対象としたため、多くの論争を引き起こした。構成主義は、新しい知見をもたらす画期的な理論なのか、それとも科学的知見を否定する非合理主義なのか。本書は、こうした明確であるがゆえに、微細な差異を見えにくくする対立構図を、構成主義のタイプをその対象や目的に即して丁寧に類別化することにより、問い直そうとしている。
著者自身は「構成主義風の語り」に批判的な見解を示しているが、その位置どりは、訳者がいうように「中立を装った隠れ構成主義シンパ」といったところだろうか。「構成主義か否か」ではなく、「どのような構成主義か」という問いに拘(こだわ)りつつ、構成主義を鍛え上げていくこと。それが著者の真の目的であるように思える。
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