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書評

ふしぎ盆栽―ホンノンボ [著]宮田珠己

[掲載]2007年04月08日
[評者]望月旬(文芸評論家)

■ベトナムの小さな「桃源郷」

 “まじめにふまじめ”な児童書「かいけつゾロリ」シリーズでベストセラーを量産しているポプラ社が、なぜ、じじむさい盆栽の本を? と思いますね普通。

 しかも、おそらく世界初に違いない、〈山水景(ホンノンボ)〉の探索ルポである。ええー!?と驚かないほうがおかしいことも間違いない奇書だ。

 著者は、東南アジア紀行エッセーの第一人者。これまでもウミウシやジェットコースターや巨大仏など、人をびっくりさせるヘンな眺め(とその体験)を追求しているが、今回は、ベトナムの国民的文化とされる謎の「盆景」について。

 水を張った鉢のなかに、ふしぎな岩(石)を据え、ミニチュアの人形や置物を配した「箱庭的世界」――ホンノンボの魅力を支えているものは、架空の世界へと心遊ばせる〈エキゾチズム〉であり、つまり桃源郷を求める情緒だという。子供の一人遊びの楽しみにも、似た。

 本書は、大人っぽく洗練された盆栽を称(たた)えるかわりに「ビバ、子供!」というメッセージを秘めている。そう思うと、納得もゆく。〈いい加減で、豪快で、ごった煮的で、思わず笑ってしまう〉ホンノンボって、著者のキャラに重なるし。

 怪傑ミヤタタマキと一緒に、みんな脳内ハッスル!

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