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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>書評>[評者]その他> 記事 書評 日本(ジャポン)、ぼくが愛するその理由(わけ)は [著]ジャン=フランソワ・サブレ[掲載]2007年05月13日 ■路地裏で草の根の触れ合い 著者は、46年フランス生まれの社会学者。74年に来日、仏語講師として北海道に赴任後、東京・神楽坂に妻子とともに根を下ろす。「ぼくは日本なしには生きられない」とまで言われると、ついうさん臭さを感じるものだが、著名人との交流をひけらかすより、路地裏生活に自ら浸り、草の根の触れ合いに徹した姿勢には好感が持てる。 神風特攻隊だった居合道の師匠「ヒゲ先生」、東京郊外の被差別部落の出身者など、寄り添った人は多い。圧巻は、永谷のおばあさんとの情感あふれる交流だ。大家である彼女から「養子になりませんか」と持ちかけられる。悩んだ末に断るが、彼女から受けた厚い信頼を忘れず、亡くなった後は花を抱えての墓参を欠かさない。 ヨーロッパの文学や歴史、宗教などを時おり交えながら、日本人と出会う旅路で「違い」を考える。道中で、日本には文化、温和さ、粋、外に開かれた精神、公明さがあると発見した。 フランス国立科学研究庁日本支部を開設、所長などを歴任、「日仏の文化の懸け橋を組み立てたい」と希望する。著者のやさしさが日本のやわらかい部分を照らし出し、心地よく共鳴している。
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